いちばんやさしいDXの教本を読んで

概要

今の自分の会社ゑびやではすでにDXはできていると思っているが、改めて定義を確認し、 まだ取り組めてない点や、知らないことがないか確認する

気になった目次

  • ビジネスモデル図を作ろう
  • 課題からデジツラ化すべき業務を洗い出す
  • カスタマージャーニーマップを開発に活用する
  • DXはIT導入の集大成ではない

DXのハードル

  • 壮大すぎる
  • 自前が大好き
  • 広がらない

アーリーサクセス(小さな成功)を支えるリーンスタートアップとは

  1. スモールバッチ=小さく作る
  2. MVP (Minimun Viable Product) = 最も価値がある形から作る
  3. 会計確信と方向転換

例:twitterは紙とスケッチから始めた

DXの課題となる点は

  • そもそもデータが存在しない・収集できる仕組みがない
  • 自社の課題が明確ではない
  • その課題解決に対して共感が得られない、全員の共通認識が取れていない
  • DX化、またはそれ以前のデータ化へのフローが組まれていない
  • 経営陣を納得させられる予算・試算がない
  • 経営陣を納得させられるゴールが明確ではない
  • オンプレにこだわる

カスタマージャーニーマップ

  • ペルソナ:ターゲットとなる人物がどんな人間か具体的に記す
  • ステージ:ある商品や課題の大分類?
  • シーン:ステージを具体化したもの
  • 行動および利用するもの:具体化した行動の中で何に触れているか。例えばWEBサイトが〇〇など。
  • 心情
  • 課題

エレベーターピッチ(エレベーターで同席した人に話すレベルで短く課題をまとめる

ニーズ>ユーザ>解決策>価値>今のやり方との差別点

BI > AI >データの外部開放

(そんなしっかり読んでないけど、上記流れはあくまで一例であって、別にAIなくてもBIなくても良いと思う)

データ活用事例

イーオンの英会話、学習者の正答率などを可視化 競馬予想

代表的なノンコーディングサービス

  • Adalo
  • Airtable などなど

ワークマンはなぜ2倍売れたのか を読んで

はじめに

私は飲食店の実店舗を持ちながら働くエンジニアです。 その中でデータ経営を本当にできているのか不安です。データは好きですし数字も得意ですが、 それが店舗の経営として現場で働く人の満足度や、お客様の満足向上に繋がっているのか、 はっきりとYESとは言えません。

本書はワークマンがデータ経営、またその他経営手法を通してどうしてここまで人気を博し、 ワークマンプラスという新たなブランドを立ち上げることに成功したのか書かれています。

その過程を学ぶことで、自分自身の店舗に対する貢献意識、実社会の実課題に能力を発揮すること意識を高めることを目指します。

ワークマンはアパレルの中のポジショニンに成功している

デザイン性↔︎機能性と高価格↔︎普及価格の二軸のマトリックスの中で、ワークマンは普及価格と機能性の象限の中にいる

あえてAIを使わずにエクセルによる分析を行った

AIも検討したがAIはその結果がブラックボックス化されてしまう。 社員がデータを見てそのロジックを理解し、データから理由を持って答えを出すためにあえてエクセルにした。 エクセルで十分だった。

ものづくりは売価から決める

打倒Amazonを掲げ原価率を65%に。

そもそも打倒Amazonを掲げる中で、どの分野でAmazonに勝つかを明確に定義していた。 - 価格 - 販促費 - 配送料

店内の雰囲気を変身させる店作り

昔からの職人さんが買いに来る早朝と夕方以降の時間帯は昼白色にして表の看板も職人向け。 お昼の主婦層などアパレル目当てで買い物に来る時間帯は店内の曲をカフェ調にして照明もオレンジ色に

センスは知識からはじまる を読んで

はじめに

くまモンの生みの親である水野学さんの著書。 今のデータサーエンティストの仕事をしていく中でデータだけでは進められない仕事は多くある。 その中でもアイディアに困っていた。 クライアントの課題を解決するためのアイディアやサービスを思いつく能力がなく、 データの緻密さや精度ばかりに拘っている自分に気付き、ちょうどその時に本書に出会った。 実社会の課題解決を意識していく手がかりとして読みたい。

概要

センスとは知識の集約である。 水野さんは発想やセンスに対して、日本人(少なくとも現代の)は誤解を持っていると言う。 それは生まれながらの才能にして生み出されるものだということ。 しかしセンスとは普通を知っていること、過去を知っていることの延長線上に存在していると言う。

普通を知っていれば何でも作ることができる

普通を知るためにはありとあらゆることを知っていなければいけない。 ビートルズの良さを語るためには音楽の歴史や多種多様なジャンルの知識を持っている人の方が 説得力を持ってその良さを語れる。 その知識の集積の中で普通を見出し、そこからどのくらいビートルズが良いのか 数値では言いづらい世界の中で距離を説明することができる。

時代はセンスの時代になった

産業技術がその時代におけるピークを迎えた時、またピークがその先にあったとしても急成長が伴い 一時的なピークに達してしまった時、人は芸術に価値を見出すようになる。 著者はノスタルジーを一つの原因としていました。

デザインを構成する要素をざっくり

  1. 文字
  2. 写真や絵
  3. 形状

フランダースリネン

FLANDERS LINEN PRODUCTS(フランダースリネンプロダクツ)通販 - HAPPY PLUS STORE

あるメーカーのリネン製品に名前を付けようとした時にフランダース地方から取り寄せたリネンだからフランダースリネンと名付けた。 しかしその裏には、その名前を補強する知識があった - フランダースの犬のアニメからリネンに対する優しい印象を想起させることができる - リネンと言う高級素材を購入できるメインターゲット層がそのアニメを知っている層と重なる

センスの最大の敵は思い込みと主観性

デザインは精度であって、お客様がどう喜ぶかを緻密に狙う

終わりに

www.cinra.net

合わせてこちらの記事にある、デザインは機能デザインと装飾デザインに分かれると言う記事も面白かったので追記で記載。 日常の中で人が意識するデザインは装飾が多いと思うけれども水野さんの記事が取り上げられるようになってきてからか 機能デザインの認知は現在進んでいるような気がなんとなくしている。

「意思決定の教科書」を読んで

ハーバード・ビジネス・レビュー意思決定論文ベスト10 意思決定の教科書 | ハーバード・ビジネス・レビュー編集部, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 |本 | 通販 | Amazon

を読みました!

樫田さんのnoteで共有されていたので気になって買ってしまいました。

 

論文をもとに書かれた書籍で意思決定にまつわる10の論点について解説されています。気になったところを抜粋していきます。

 

人間の心理的な罠

アンカリングの罠

一つ前の問答にイメージ・意識を偏らせてしまう事。例えばトルコの人口を全く検討もつかない状態で「トルコの人口は3500万人以上でしょうか?」という質問の次に、「トルコの人口は何人でしょうか?」という質問をすると自然と3500万人前後で答えてしまう。


サンクコストの罠

状況が悪くなっているにもかかわらず、現状進めてきてしまっている計画や行動を止められないこと。対処法は過ちに大して敏感かつ正直になり、違和感を感じた時にすぐになぜ違和感を感じるか、現状の方向を修正する後ろめたさは何か、ということに真摯に向きあう。

 

フレーミングの罠

人は自分の能力を超える選択を迫られた時に、質問のデフォルト値を選んでしまう現象。例えば「脳死した時に臓器提供を行う人はチェックを入れてください」と「脳死した時に臓器提供行わない人はチェックを入れてください」だと結果が異なってくる。人は自然とチェックを入れない方に傾いてしまう。

これは選択肢を2つ提示した際の表現にも現れてくる。

A「1万円の封筒を手に入れる」

B「3分の1の確率で3万円の封筒・3分の2の確率で0円」

これを伝えると多くの人がリスクの少ないAを選択する。

しかし

A'「確実に1万円の損失をする」

B'「3分の1の確率で3万円失うけれども3分の2の確率で損失0になる」

おちう選択を迫られると人はB'を選択肢しまう。

 

行動経済学における意思決定者が自問すべき質問(抜粋)

  • 提案者自身が、その決定に惚れ込んでいるか
  • 提案チームの中に反対意見があったか
  • 数字の出どころがわかっているか
  • ハロー効果が見られないか

 

なぜニアミスは見えなくなるのか

一番納得したの「結果バイアス」

人は一連の作業やプロジェクト全体に渡って、無視してはいけない・反省を行うべきミスがあったとしても結果が成功ならばそのミスを省みない(過小評価する)バイアスがかかる事。つまり「終わり良ければ全てよし」の悪い点となる。

トヨタのレクサスで速度超過が起きることも無視された。

 

またニアミスに対するオペレーションは医療業界が先進的であるとも書かれている。チームの中にニアミスを公開することに対して称賛する文化が形成されているならば、ニアミスの発見は早くなり、事が起きる前に対応できるだろう。

 

対話から新しい視点を得る

議論の構築

本書では議論を「意見を通す場とするのか」「意見を育てる場とするのか」で大きく2つに分けていた(本書の言葉を使うと「議論対比型」「ご意見番型」)

さらに議論対比型を推奨していた。

リーダーの言葉遣いやマネジメントにも言及されている。

 

私自身も自分の組織の中で「議論対比型」に持っていく方法を考える必要がある。一番うれしいのは全員が本書および意思決定・議論にまつわる書籍を手にとって、率先的主体的に議論に参加し、議論のルールを守りスムーズに促す事だ。

けれども個々人のバックグラウンドを考えるとそれも敵わない上、各々が共通の学びをえたとして能力や意志力には差が生じてしまう。

人間性の成長と多様性の許容・パラドクスへの理解が不可欠と感じた。以上この節は抽象的なまとめになってしまったが詳細なテクニックについては別所で。

 

集団思考の罠

チームプレイヤーとして認められたい・集団のいざこざを避けたいがためにチームの議論で最もらしい意見が出てくるや否や、それを決定事項としてしまう現象。

 

これの対応策は真似したいと思った。

それはリーダーが各個人の仕草、腕の組み方・ため息・視線・眉間のシワなどから不満意見を敏感に察知する事。

 

意思決定のRAPID

  • Recommned(提案)
  • Agreement(同意)
  • Perform(実行)
  • Input(助言)
  • Decide(決定)

偏見の環境

誰しも偏見に囲まれているという論理にはおどろいた。

IATテスト ホームページ

自分の偏見の度合いを測るIATというテストがある。やってみたところそんなに自分はなかった様子。

 

とある判事の話が偏見に陥らない上での重要アクションであると感じた。

この判事のいる裁判所は黒人の多い地域であったため、黒人に対して犯罪を犯しやすい人種というレッテルを貼りそうになっていた。そのため休日は白人の多い地域の裁判所に行き認知バイアスを修正するようにしていた。

 

戦略を決定する際のプロセス

データ→選択肢→意思決定

「データ視覚化のデザイン」を読んで

データ視覚化のデザインはデータ活用コンサルのPATHを経営されている永田ゆかりさんの著書です。

職場ではBIによる可視化を繰り返している私ですが、一度新しい知見を学ぶために本書を手に取りました。

早速感じたことをまとめていきます。

(本記事は引用ではなく私が自身の経験をもとに再考し書いたものであるため、本書の内容とは一部異なります。)

 

BIを見せる人のがどの階級の人なのか意識する

今まで私自身はデータは誰にでも必要とされるものであり、それぞれに役に立つと意識はしていました。それでも階級(いわゆる役員なのかマネージャーなのか現場社員なのか)によって段階的に異なることを知れました。

 

階級 内容
役員 全体 KPI
Q&A
トップダウン
ボトムアップ
現場 詳細 一枚絵

KPI:業績がうまくいっているのかを伝える

Q&A:どうしてうまくいっているのか・いないのかを伝える

トップダウン:うまくいくためにみて欲しい環境の指標や会社の意向

ボトムアップ:マネージャーに現場を伝える

一枚絵:現場の社員が今日の業務を判断するため情報を伝える

 

こんな感じに分かれるのでしょう。

 

プロっぽい可視化とは何なのだろうか

今回本書を手にとって感じたのは「見やすさ」「納得感」「魅きつける力」の3点だと感じました。

見やすさ

見やすさは本書の言葉を借りれば認知負荷を最低まで下げることです。

余計な隙間、余計な色、余計な軸、余計な線全てを省略して、「これは何だろう?」と思わせる回数を減らす。

これは見やすさをロジカルに説明したものであり、読む価値のある内容でした。

 

納得感

データの本質は事象の正しい理解です。ただしBIの半分以上は一人で見ることは少ないと思います。

多くの人と共有する以上、何かを他人に伝えたいことになります。そこにはメッセージが生まれて、そのメッセージを理解してもらはなくてはいけません。

 

納得感のを与えるのに重要なポイントは以下です。

・必要な情報を網羅しているか

・正しいグラフを選定しているか

・正しい並びになっているか

必要な情報を網羅しているかはその都度その現場にリテラシーのある人が実施するしかありません。

正しいグラフの選定については熟練度が必要な領域だと感じました。熟練度を上げていくために2つ意識するべきです。ひとつはグラフの種類とそのメリット・デメリットに関する知識を増やしていくこと。ふたつめにグラフを使ってみてデータに合うかどうか実証実験してきた経験があること。これらを通して正しいグラフの選定に至れると思います。特に本書の中で縦棒グラフをただの数値に変換する事例がありますが、無用にグラフを使う一例として参考になりました。

正しい並びになっているかは単純な話で、一番左上に一番大事な情報を持ってくる必要があると言うことです。

 

魅きつける力

本書の中で紹介していた面白BIをいくつか並べます

 

日本人口消失のえぐみを伝えるBI
https://public.tableau.com/profile/lm.7#!/vizhome/2722/1
初詣スポットをデータとともにポスターっぽくかわいく見せる技術
https://public.tableau.com/profile/yoshihito.kimura#!/vizhome/2_2310/1
従業員の経費分析
https://public.tableau.com/ja-jp/profile/tableau.for.finance#!/vizhome/EmployeeExpenseAnalysis/EmployeeExpenseAnalysis
玉の数をグラフ化する上で一工夫、コロナで先駆けた東洋経済はさすがだなあ
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/overpitching/

 

配色や見せ方を工夫していて、非常に面白いです。イラストや写真やアイコンも、そのBIが何を伝えたいのか「テーマ」を一瞬で理解させるのに役立ちます。

 

所感

別に良い意味でも悪い意味でもなく薄いです。完結にまとめられているので見やすく、今後は辞書的な感じで側においておきたいと思います。

著者はすでに成熟した環境でBIツールを触っていると感じたので、組織論的な観点からBIを普及したいと考えている人には向きません。

また人間の知覚に関しては触れてはいるものの、表面に限定しているような印象でした。より深く人間の知覚・認知負荷自体に踏み込みたい人は別の本がよいでしょう。

世界が動いた「決断」の物語 新人類進化史を読んで

読んだ理由

業務上データの分析をしているが、それを意思決定という分野につなげるためには、どのようにしたらいいのか学ぶために読んだ。

 

感想

決定までのプロセスはマッピング→計算→決定

何かを決定するとき、多くの場合は様々な事象が複雑に絡み合っているケースが多い。複雑な事象をクリーンにするためには現状をマッピングして環境を把握する努力と未来の予測が強いられる。

 

ダーウィンは結婚するかどうするかの決定をするために、自身の大切にすることを全て書き出した。結婚しないことで「付き合う人を選べる・時間を奪われない」結婚することで「家庭のことをしてくれる人・家族の愛情」など。

こうすることで自身の置かれる環境および、自身は何を大切にしたいのか俯瞰で眺めることができる。

マッピングに重み付けを行う

次にこの記載したリストに対して重みをつけて掛け算する。重点をおいている項目を1、あまり重点を置いていない項目は0.3など。こうすることで大切にしたい内容に優先順位をつけた上で2つの事象に優劣をつけることができる

 

未来の予測を正しくするのは誰か

本の内容をざっくりと抜粋するならば、結局未来の予測は誰にやらせても大きく外れる。ランダムよりも外れることもある。けれども専門的な学者よりも広く浅い知識を持った一般人の方が、経済など大きな複合要因が潜む未来を当てていたとのこと。

集団における予測精度にも差が生じる。白人だけのグループよりも多様な人種・宗教を持ったグループの方がより高い精度で未来を予測する。(しかしそれと反比例して、その決断に対する自信は小さくなっていく)

 

はぐれ者が生み出すアイディア

https://dailyportalz.jp/kiji/170526199712

ニューヨークのハイラインパークは今となってはニューヨークを代表する観光地である。しかしかつてはスラムのように不法者の溜まり場になった時期があった。

この当時誰が解体費用を払うか揉めていた。政府・市・鉄道会社。この時公園にする案を出したのは街のアーティストだった。これに対して政府や企業は反対案をだしていた。アーティストはマイノリティであり、奇抜な意見であった。