センスは知識からはじまる を読んで
はじめに
くまモンの生みの親である水野学さんの著書。 今のデータサーエンティストの仕事をしていく中でデータだけでは進められない仕事は多くある。 その中でもアイディアに困っていた。 クライアントの課題を解決するためのアイディアやサービスを思いつく能力がなく、 データの緻密さや精度ばかりに拘っている自分に気付き、ちょうどその時に本書に出会った。 実社会の課題解決を意識していく手がかりとして読みたい。
概要
センスとは知識の集約である。 水野さんは発想やセンスに対して、日本人(少なくとも現代の)は誤解を持っていると言う。 それは生まれながらの才能にして生み出されるものだということ。 しかしセンスとは普通を知っていること、過去を知っていることの延長線上に存在していると言う。
普通を知っていれば何でも作ることができる
普通を知るためにはありとあらゆることを知っていなければいけない。 ビートルズの良さを語るためには音楽の歴史や多種多様なジャンルの知識を持っている人の方が 説得力を持ってその良さを語れる。 その知識の集積の中で普通を見出し、そこからどのくらいビートルズが良いのか 数値では言いづらい世界の中で距離を説明することができる。
時代はセンスの時代になった
産業技術がその時代におけるピークを迎えた時、またピークがその先にあったとしても急成長が伴い 一時的なピークに達してしまった時、人は芸術に価値を見出すようになる。 著者はノスタルジーを一つの原因としていました。
デザインを構成する要素をざっくり
- 色
- 文字
- 写真や絵
- 形状
フランダースリネン
FLANDERS LINEN PRODUCTS(フランダースリネンプロダクツ)通販 - HAPPY PLUS STORE
あるメーカーのリネン製品に名前を付けようとした時にフランダース地方から取り寄せたリネンだからフランダースリネンと名付けた。 しかしその裏には、その名前を補強する知識があった - フランダースの犬のアニメからリネンに対する優しい印象を想起させることができる - リネンと言う高級素材を購入できるメインターゲット層がそのアニメを知っている層と重なる
センスの最大の敵は思い込みと主観性
デザインは精度であって、お客様がどう喜ぶかを緻密に狙う
終わりに
合わせてこちらの記事にある、デザインは機能デザインと装飾デザインに分かれると言う記事も面白かったので追記で記載。 日常の中で人が意識するデザインは装飾が多いと思うけれども水野さんの記事が取り上げられるようになってきてからか 機能デザインの認知は現在進んでいるような気がなんとなくしている。